女将雑記

ひなまつりに食べる食べ物と言えば、ちらしずしやはまぐりのお吸物や菱餅や白酒ですね。それぞれの料理には、縁起のいい意味が込められてます。
【ちらしずし】
 ちらしずしはもともと祭礼の日の料理として作られることが多かったもので、ちらしずしそのものにはいわれはなく、ちらしずしにのせている具材に意味があります。
  海老 ― 腰が曲がるまで長生きしますように
れんこん ― 将来の見通しがいいように
   豆 ― 健康でまめに働き、まめに生きる   などです。

【はまぐりのお吸物】
 はまぐりは二枚貝で二枚の対以外の貝殻とは決して合いません。そこからはまぐりはぴったり合う相性の人に出会い、良縁に恵まれ一生一人の人と連れ添うようにとの願いが込められてます。

【菱餅】
 菱餅は上から赤(ピンク)・白・緑と3色のお餅を菱形にして重ねたもので、お雛様にもお飾りに交じって菱餅が供えられてますね。諸説ありますがそれぞれに意味があります。
  赤(ピンク)  魔除け    桃の花
  白       清浄     純白の雪
  緑      健康と長寿  草 萌える大地
となり「雪の下には緑の草が息づき始め、溶けかかった雪の大地には桃の花が芽吹く」という意味が隠されてます。また、菱餅のそれぞれに練り込んである実は、
  赤(ピンク) は くちなしの実で 解毒作用
  白    は ひしの実  で 血圧を下げる作用
  緑    は よもぎ   で 増血作用
もあり、親が娘を願う気持ちが込められてます。

【白酒】
 白酒というのは元来、中国から運ばれた「桃果酒」というお酒のことを指してました。桃は古くから邪気を払い強い生命力と長寿の象徴であり、桃が「百歳(ももとせ)」に通じるため邪気を払い不老長寿を願う桃の節句に飲まれてたといいます。この桃果酒が白酒に名前が変わったようです。

以上若いお母様方に少しでも参考になれば幸いです。
どうかこの良き日本の伝統行事がお母様から子へ受け継がれていくことを願います。

 

旅館あけぼの  女将 音成 洋子

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